SaaS時代の投資指標について
新しい指標
PERやPBR、ROEなど投資に関する指標はいくつもありますが、SaaS形態のビジネスが広がっている今、従来の指標ではその会社の実情を表現しきれなくなっています。
SaaS時代の新しい指標とはどのようなものでしょうか?
SaaSとは
SaaSとはSoftware as a Serviceの略です。インターネットの回線が細かった昔は、ソフトウェアはCDやDVDなりにインストールするためのファイルが入って販売されていることがほとんどでした。
しかし、光回線が普通になりインターネットでやりとりできるサイズが増えた現在、ソフトウェア自体がネットの向こう側にありサービスだけを課金制で使用する形態が増加してきました。これがSaaSです。
SaaSでは多くの場合月額課金制のサブスクリプションビジネスモデルを採用していて、売り切りのビジネスではありません。そのため継続してサービスを利用して貰うことが重要です。
ARR
クラウド、サブスクリプションのビジネスで注目したい指標がARR(Annual Recurring Revenue)です。
ARR=年間定額収益で、特定の月の定額収益を12倍で算出したものです。
この指標には短期間や一回限りの契約はふくまれないため、月額課金のビジネスでこれが順調に伸びている会社には期待できると思います。
逆に、売り上げや利益が伸びていたとしても、その実態としてARRが伸び悩むもしくは減っている会社は今後に注意と考えてしまいます。
NRR
もう一つ紹介したいのが、NRR(Net Revenue Retention)です。
売り上げ継続率とも呼ばれます。
SasSビジネスでは顧客が継続してサービスを使用してお金を支払ってくれているかが重要なので、それを図る指標となります。
大雑把に書きますと、下記の①から②を引いたものです。
①既存の売り上げ+アップセル+新規契約
②ダウンセル+解約
これが伸び続けること月額課金制のビジネスモデルがうまくいっている指標となります。
日本でもSasSの課金制ビジネスモデルを主体とする会社が増えています。
楽楽精算のラクス、マネーフォワード、チャットワーク、サイボウズなど。
これらの会社のARR、NRRがどうなっているか調べてみるのも面白いと思います。
では。