<復習>株式投資の基本 PER
PERについて
株式投資を行ううえで何を判断基準にして投資するでしょうか?
スイングやデイトレードであれば1分や5分チャート、板の動きでしょうし、中長期の投資であればPER、ROE、キャッシュフローなどの指標を参考にするかと思います。
自分自身もなんとなくあやふやな指標について、一つずつその意味と見方を復習していこうと思います。
まずは一番よく使われるであろう、そして指標として一般的な認知度も最も高いPERです。
PERとは何か
<計算式>
PERとは時価総額を純利益で割ったものです。
PER = ーーーーーーー
純利益
時価総額=発行株式数×株価 なので、上の式は以下でも同じです。
株価
PER = ーーーーーーーーーーーー
1株あたりの純利益
シンプルですね。単位は「倍」。
<純利益とは>
純利益は、売上高から売上高から各種経費などを引いた純粋な利益です。
・売上高から純利益までのイメージ
売上高 □□□□□□□□□□□□
営業利益□□□□□□□□□■■■
経常利益□□□□□□■■■
純利益 □□□□■■
まず、売上高があります。
10,000円の商品が1000個売れたら10,000,000円(1000万円)が売上高です。
そこから仕入れなどの売上原価(または製造原価)と販売費および管理費を引くと営業利益になります。
営業利益に営業外収益を足して、営業外費用を引くと経常利益になります。本業以外での利益(損失)を足しています。
経常利益に特別利益(特別損失)を足し、税金を引いたのが純利益です。
これらは上場企業であれば誰でも調べられる情報です。四季報にも財務データとして複数年分載っています。
計算式から、PERとは株価と純利益のバランスを表した指標であることがわかります。
<PERで何がわかるのか>
純利益と時価総額の関係がわかるため、同じ時価総額であれば純利益が大きいほどPERは低くなります。
時価総額は発行株式数×株価なので、発行株式数が変わらず株価も同じであれば、純利益が増えるほどPERも下がります。一般的にPERが低いほど割安とされる理由がこれです。
もしPERが20倍だったとすると、純利益の20年分=時価総額となります。
極端ですが、もしPERが3倍だとすると時価総額と同額の純利益を3年で叩き出すということで普通に考えてとても割安な感じがします。
私はPER3倍というのは見たことがありませんが。。
<PERは株式益利回りの逆数>
時価総額と純利益の関係は銀行にお金を預けた時の金額と利子に似ています。
時価総額100億円の会社が毎年純利益を10億円あげればPERは10倍です。
純利益を全て取っておけば10年でその会社を丸ごと買えるだけの資産が貯まります。
時価総額に対しての純利益の割合を株式益利回りといい、PERの逆数(1/PER)です。
PERが10倍ならば株式益利回りは10%、PERが20倍ならば株式益利回りは5%となります。
一般的なPERの数値とは
一般的なPERの数値とはどれくらいなのでしょうか?
利益も株価も大きく変わらないというのであれば、12倍〜15倍くらいが一般的な数値だと言われています。
時価総額を12年〜15年で稼ぐ。それくらいがPERが大き過ぎることもなく、小さ過ぎることもないくらいの値でしょう。
<PERが低い銘柄>
純利益も株価も毎年大きくは変わらないのに、PER4倍とか5倍の銘柄があれば、それは割安だと思います。
もしくは何かの割安である特別な理由があるかです。。
PERが5倍であれば時価総額100億円の会社で純利益が20億円です。
時価総額に対して毎年この水準で安定して純利益が出せるのであれば、その会社には買いが集まり、時価総額も上がっていくでしょう。
明らかに割安な銘柄に対しては市場による株価の訂正が行われ、PERも割安な数値のままではいられません。
<PERが高い銘柄>
一方、PERが高い銘柄もあります。
弁護士ドットコムのPERは283倍です(2018年10月6日の値)。
株式益利回りは1/283%なので、えー、、0.0035%。。
PERだけ見ると割安とは言いにくいですね。なぜこんなに高いPERになるのでしょうか?
PERが高い銘柄というのは純利益が今後も伸び続けることを前提にしてそのような株価になっていることがほとんどです。
今年より来年、来年より再来年と売上も利益も上がり続けることが見込まれる高い会社であれば、50倍や100倍のPERであっても将来純利益が5倍、10倍になればPERもその分下がってきます。
PERが高くなっていく会社というのは市場がその成長性を認めているという証左でもあります。
で、PERってどうなの?
PERはその数値だけ見ても意味がありません。
PERの計算方法と使われている数字を理解し、その会社の業績の伸びや将来性なども考慮して初めて意味があるものだと思います。
今更ですが、計算式で使われている数字は、時価総額は最新の数字を使いますので毎日変動しますが、純利益については来季の予想数値を使用するのが一般的です。
なので、PERというか予想PERです。
SBI証券などではちゃんと予PERという記述になっています。
予想数字を使うので、当然上方修正などで一気に数値が変わることもあり得ます。
決算発表などのあとにPERがどれほど変化するかを確認し、そこから株価がどう動いていくのかを確認するのも良いかと思います。
まとめ
- PERは時価総額を純利益で割った値で、その会社の割安度を判断する指標
- PERの逆数が株式益利回りになる
- 一般的なPERの値は12倍〜15倍
- PERが極端に低かったり高かったりするのは理由がある
- PERはその時の数値だけを見ても意味がない。業績の伸びやその他の指標も一緒にみて銘柄判断すべし
では。
※今後PBRやROEについても書いていこうと思います。自分の復習と知識定着も兼ねて。