2020.03の大暴落から復活しつつある中年サラリーマン

主に株式投資や優待などお金に関わることを中心に記事にします。ライフハック的なことや読んだ本の感想なども。仮想通貨、ふるさと納税、メルカリなどもやっています。

やってはいけない資産運用_投信を買おうとしている方に強く伝えたい実家での話

 

投信を買おうとしている方へ  

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投資の初心者は毎月分配型の投信を買ってはいけない

これが今回の記事で言いたいことです。

理由や事例をこの下に書いていますので、お時間のある方はお読みいただければ幸いです。 

投資の初心者

銀行へお金を預けても金利なんてほぼゼロだし、何かに投資してお金を効率的に増やしたい。老後に備えて資産形成していきたい。

そう考える人はとても多いかと思います。しかし、どの商品に投資して良いかはわからない。

どのような場合でも初心者がそれを行ううえでどのようにすれば良いかわからないのは当然です。パソコンで色々やりたいけど、どんなパソコンを買っていいかわからない、英語を勉強したいけどどの教材が良いかわからない、転職したいけどどのように進めれば良いかわからない。

などなど。

 

ほとんどの場合、周りの人に聞くとかネットで色々調べるとかして初期の問題を乗り越えると思うのですが、金融商品だけはそうはいきません。

世代や生活フェーズ、年収から資産状況まで様々であり、個別の状況に適したアドバイスを受けようにも自分の年収やら資産については親しい友人であっても相談しづらいと思います。

もし金融資産や年収についても問題なく相談できる友人や知り合いがいたとして、その友人が金融リテラシーも高い人であるというのは稀だと思います。

 

そうなると、それならプロだとばかりに証券会社に相談する人が多いように思われ、私はそれが全ての間違いの始まりではないかと思っています。

 

お金持っている素人が対面の証券会社に相談しに行く。

これは、カモがネギをしょってやってくるのと全く同じ状況と思われます。

特にご高齢の方はインターネットに対するセキュリティへの懸念があり、また、人間が直接説明してくれる対面の取引に安心感を覚え、証券会社にも同じものを求めるのだと思います。

しかし、当の証券会社にしてみれば、このネット証券全盛の時代に高い手数料を払っても対面取引を望む人間を、金融リテラシー、ネットリテラシーがなく、コストパフォーマンスに対する意識も低い人間と見なすでしょう。要は“ちょろい客”ということです。

 

証券会社が売りたい商品

証券会社は優良銘柄を買って長期保有しましょうなんて事は普通言いません。

理由は簡単で、儲からないからです。

会社が利益率の良い商品を進める。当然のことです。しかし、それは時々顧客の利益と相反します。

通常、対面の証券会社が勧めるのは販売手数料、もしくは信託報酬が高い投信です。

0.5%の利益が出る商品と、3%の利益が出る商品があったとして、証券会社がどちらを売りたいと思いますか?ということです。

 

多くの投信は、手数料や信託報酬の高いアクティブファンドと、それが低いインデックスファンドに分類できます。

アクティブファンドはファンドマネージャーとそのグループが売り買いについて裁量の売買を行います。

インデックスファンドは日経平均などの指数に連動して動くよう設計された投信です。人の裁量は入らず、日経平均の組み入れ銘柄を機械的に購入します。

言ってしまえば機械でも出来る作業です。

ここではアクティブファンドとインデックスファンドのどちらが良いかという議論はしません。

証券会社にとってどちらが美味しいかというところがポイントです。

 

親が勧められた投信

私の親が買ったのは毎月分配型の投信でした。オーストラリアの高配当株に投資し、利益を毎月配当として分配するものです。

ちなみに投資額も書いてしまいますと、約1000万円です。

1000万円をそのファンドに突っ込み、当初は25万円くらいの配当があったそうです。1ヶ月ごとにですよ!

もしこれが続けば25万×12ヶ月で年間300万円ほどの配当が入ってくる計算になります。

1000万に対して300万円!約30%の配当です。オーストラリアの高配当株はそんなに配当利率が高いのでしょうか?

親に見せてもらった投信の説明書を読むと、このファンドが投資している銘柄群は確かに配当利率は高いのですが、それでもせいぜい6%後半といったところです。

贔屓目に見て7%だとして、実際に支払われる30%の配当には全然足りません。では、支払われる配当はどこから出たお金なのでしょうか?

これもちゃんとファンドの説明書に書いてありました。配当原資が足りない場合は、預けたお金を切り崩す形で支払われます。と。

ここまで書くともうわかりますが、このファンドの実態は、1000万円を預けたらそこから配当分を切り崩して顧客に支払っているだけのタコ足配当ファンドだったのです。

 

投信を購入する以上このタコ足配当についての説明はあったはずですが、おそらく親はその本質を理解していなかったのでしょう。

この投信を購入してすぐに支払われる配当は大きく減額されたそうです。

 

そして、現時点で投信に預けたお金の現在価格と今まで貰った配当の合計額は約850万ほど。基準価格はずーっと右肩下がりの状態です。

トータルリターンが現在よりもプラスの状態になることはおそらくないでしょう。

配当が年30%というのは異常値であるというちょっと投資した人間なら当たり前のことでも、長年投資とは無縁だった両親にはわからないことです。

その原資が預けたお金から支払われるのも、長期的にはこのファンドの基準価格が右肩下がりにならざるを得ないことも、おそらく理解していなかったのではないでしょうか。

証券会社側は勿論ちゃんと説明したと言うでしょう。もしかすると本当にちゃんと説明してこの投信を勧めなかったのかも知れません。

どちらにしろ投資は自己責任です。

証券会社がどのような商品を売ろうと、それを買ったのは親ですし、必要な説明はちゃんと受けていると見なされます。

必要だったのは、金融のプロが勧める商品であっても本当に大丈夫な商品か疑うことと、最低限の金融リテラシーです。

 

このブログを読んでいる方なら色々な疑問をネットで調べるということが出来るでしょうし、このような商品にひっかかる可能性も低いと思います。

できれば高齢のご両親や親戚の方などが似たような状況になりそうであれば、よく考えるよう説得されることをお勧めします。

 

では。