“半額弁当を買う男”は投資に向いているか
半額弁当を買う人について
Twitterで、夜のスーパーで半額の弁当や惣菜を買う人についてディスっているツイートが投資家の間で話題になっているそうです。
これについて真面目に考えてみたいと思います。
まず、話題になっているTwitterの内容はおおよそ以下の通りです。
"夜のスーパーで半額シールのついた弁当やお惣菜を買っている男に、経済面、健康面その他もろもろ未来は無い。そういう人とは結婚したくない"
この文章を分析してみると、まず言いたいことの幹の部分は「× ×な男はダメである」と言うものです。
どんな男かというと、"夜のスーパーで半額シールのついた弁当やお惣菜を買っている男"です。
このような男は、健康面も経済面も未来がないと言うダメ出しの内容になっています。
とてもシンプルな構成なので"このような男がダメである"と言う内容の、"このような"の部分と"健康面、経済面で未来はない"という結論に理論的な関係性がないとこのダメ出しは成り立ちません。
では、なぜ夜のスーパーで半額シールが付いた弁当やお惣菜を買うと健康や経済について未来がないとまで言えるのでしょうか?
ツイート主ではないのでツイートについての本当の理由は分かりませんがおそらくこういうことだと思います。
<なぜダメなのか>
半額シールが付いた食べ物を選ぶということは、自分の食べたいものや身体に良いものという判断基準ではなく、お金のみでそれを選択して健康と言う資産を毀損しているように見えるのでしょう。
また、一見半額シールで安くなっていてお得なように見えますが、その程度のお金をケチるような経済状況ではここから先もお金持ちになるような事は期待できないと思ったのではないでしょうか?
<具体的なイメージ>
ツイート主が、半額シールがついたものを買う男に対する具体的なイメージは以下のようなものではないでしょうか。
夜遅く、閉店が近い時間のスーパーに入ると会社がいると思われるサラリーマン。毎日の会社生活で疲れている様子。
着ているスーツ、履いている靴、持っているカバン、それら全てが安物と思われる。そんなサラリーマンが、夕食と思われるのか、お弁当や惣菜を物色している。見ているのはすべて閉店間際で割引価格になっているものばかり。そんな弁当や惣菜の中から割引率の1番高い半額シールが貼られた弁当を選び、それのみをレジに持っていった。
どうでしょうか?ここから浮かぶ男のイメージは、お金なさそう、ぱっとしない、仕事ができなそう、といったものだと思います。かなりイメージを極端にしている部分がありますがあのツイートの意図するところはそういうところだと思います。確かに一般的に言ってこのような男性は結婚したくないほうの部類に入ってしまうのでしょう。
投資家の目線
このツイートに対しての投資家の目線は(多分)異なります。
投資家、特にバリュー投資家は売り買いする対象の“本当の価値”を見抜こうとします。半額シールを貼られた弁当が500円だったとして、いつも1000円で食べて満足しているお弁当がたまたま500円で売っていれば喜んで買うかも知れません。これは、1000円でも買う(その弁当を食べて得られる満足に1000円以上の価値がある)お弁当が、500円でうられているという喜ぶべき状況です。
嬉々として買うでしょう。
株を買うというのは会社の一部を買うということです。
そのため、現在の株価が将来の会社価値と比してできるだけ安いところで買うことを目指します。
そこには、本社ビルがみすぼらしいとか、人工知能などを扱った先進的な会社でないといったことは関係ありません。
地味で誰もが気づかないような会社であっても、その本来価値が素晴らしいものであれば、喜んで安値を拾いに行くでしょう。
また、これとは逆に、一見株価が高騰しているように見えても、将来価値がそれよりももっと高くなると思えば購入対象になります。
投資家としては、価値から判断してお買い得のものを買っているだけかもしれない行為を、クソミソに言われてむかっ腹が立ったのかも知れません。
このツイートに対して同意する人は少ないようです。
では。